第35章 クズに対処する、私は何を後悔する?

 言い終えた瞬間、廊下はしんと静まり返った。

 三浦は二秒ほど呆けたあと、慌てて夏川翔太の前へ躍り出る。

「刑事さん、何かの誤解じゃないでしょうか。夏川翔太さんは夏川グループの後継者です。そんなことをするはずが――」

「申し訳ありません。こちらも規定に従って動いております。捜査にご協力ください」

 名刺を取り出して身分を証明しようとした三浦の動きを、警官は冷えた声で遮った。融通の利かない、完全な事務対応。その温度のなさがかえって背筋を寒くさせる。

 夏川翔太の顔色が、じわじわと最悪の色へ沈んでいく。握り締めた拳が、ぎり、と鳴った。

「市川希美……よくもやってくれたな」

 結局、...

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