第49章 私はあなたに謝罪を求める

谷口悠人は希美の姿を見た途端、ぱっと目元を赤くした。

けれど、すぐには駆け寄らない。じっと、遠巻きに様子をうかがっている。

希美が自分を選び、夏川日向のほうへ行かなかったのを確かめた瞬間――胸の奥で張りつめていた糸が、ふっとほどけたのだろう。悠人は嗚咽をこぼしながら、彼女の胸に飛び込んできた。

「……希美おばさん……」

たったそれだけの呼び方が、希美の心を溶かしてしまう。

希美は子どもを抱き上げて立ち上がり、何があったのか尋ねようとした――そのとき。

ふわりと、弱々しい声が割り込む。

「希美さん。あなたは日向の母親でしょう? 日向を放っておいて、ほかの子を抱きしめるなんて……少...

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