第74章 あえて奪う

中野友香は一瞬きょとんとし、その文字を噛みしめるように反芻したかと思うと、いきなり腹を抱えて笑い出した。

「はははははっ! 伊藤沙梨って、あのあざとい女……自分が他人の尿を飲んだって知ったら、発狂するんじゃない?」

「それに早川潤と夏川翔太も、しばらく胃がムカムカして眠れないでしょ!」

笑いすぎてお腹を押さえ、涙まで滲ませている。

希美は口元をわずかに吊り上げた。胸の奥に溜まっていた陰りが、いまの笑い声で一気に吹き飛んでいく。

「うん。私も楽しみ。真相を知ったとき、どんな顔するのか」

友香は笑い切ったところで希美の隣に寄り、体重を預けるみたいにべったりと抱きついた。

「ねえ、あ...

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