第88章 大勝利

店内は水を打ったように静まり返り、窓の外で鳥が羽ばたく音さえ聞こえた。

早川潤は口をあんぐり開けたまま、顔を真っ赤――いや、怒りで紫がかるほど染めている。

「謝罪? なんで俺らが? あいつこそ鏡見て、自分が釣り合うかどうか確かめろよ!」

夏川翔太は険しい顔のまま黙っていた。だが伊藤沙梨は早川潤よりも頭が回る。状況の深刻さを理解していた。

謝るかどうかは、本質じゃない。

問題は――市川希美が、いまや完全に“民意”を掴んでいることだ。

政府も世間も、彼女の側に立っている。

ここでさらに彼女を潰そうとすれば、それは刃の上に自分から突っ込むようなもの。

三浦は夏川翔太の顔色をうかがい...

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