第10章
「君の暴力事件は解決した」
上村先生は事務机の前に座り、指で軽く机を叩いた。
「神代史人が、自分が君を唆したんだと、責任を被ってくれた」
私は俯き、無意識に制服の裾を指でなぞっていた。窓から差し込む陽光が、オフィスの床に明るい四角を描いている。
そうして私は、神代史人がなぜ学校に通い続けられなくなったのか、その理由をようやく知ることになった。
「二年前に、ある事件が起きてな」
先生の声はとても静かだった。
「若葉という女子生徒が、学校の裏路地から飛び出してきて、服は乱れ、ひどく取り乱した様子だった。彼女はそのまま道路に飛び出して、車に撥ねられてしまった。今も病院で、植物...
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3. 第3章
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