第121章

「だ、誰……」

木川栄子はすでにドアの前まで来ていて、右手をノブにかけていた。

次の瞬間、扉が開く。

残りの言葉は短い悲鳴に変わり、反射的に両手を高く掲げていた。

鼻先まで突きつけられた刃先。照明を受けてひやりと光るそれを見つめながら、震える声を絞り出す。

「お……お兄さんたち……何が欲しいの? 話せばわかるでしょ……」

後ずさり、後ずさり――背中が壁に当たった。

「ひっ……」と、喉が鳴る。

入ってきたのは屈強な男が二人。どちらも黒いマスクにキャップで、顔はほとんど見えない。

先に踏み込んだ男が長刀を構え、木川栄子を壁際に追い詰めると、底冷えする声で言った。

「お前が井山...

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