第127章

「貝川さん、捜査へのご協力をお願いします。手続きはすべて適法に行っておりますので、ご不満がある場合は所定の窓口へ――」

カーテン脇に立ち、採取器具を手にした鑑識員が、疲れた声でなだめた。

だが貝川解子は聞く耳を持たない。

「うるさい! 出てけ! 今すぐ!」

言い終えるより早く、彼女はベッド脇に残っていた唯一のクッションをひっつかみ、思い切り投げつけた。

床一面の惨状も、たぶんこうして作られたのだろう。警察が証拠を扱うときは細心の注意を払う。市民の家をここまで荒らすはずがない。

「解子!」

水谷澤矢は、隅で縮こまっている若い警察官に愛想笑いを向けつつ、相手の肩を抱いて自分のほうへ...

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