第146章

小原雪美が自ら「羽田保美の親戚」という立場を名乗り出たあと、大村がどれだけ舞い上がったかはさておき――当の本人は、目の前の食事がとにかく「味がしない」としか言いようがなかった。

とはいえ、拷問みたいな時間は長くは続かない。刑事の仕事に、のんびり飯を味わっている余裕なんてそうそうないのだ。

結局、草岡嘉助は陸田暁たちに半ば担がれるようにして車へ押し込まれた。小原雪美は相変わらず矢野智のジープの後部座席。車内にはゆるい音楽が流れているのに、耳に入ってくるのは隣の男の、やけに切羽詰まった荒い息ばかりだった。

「……そこまで? コーラで酔う人、初めて見たんだけど」

しばらく我慢したものの、結...

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