第15章

もちろん、津下菜美も別に答えを引き出したいわけじゃなかった。小原雪美がぼんやりしているように見えて、こんな場所で居心地が悪いんじゃないかと、ただ友だちを気にしていただけだ。

だから、雪美のどこか上の空な返事を聞くと、菜美はさっと話題を変えた。手にしていたビールをぐいっと飲み干し、ダンスフロアで見知らぬ男と楽しそうに踊りまくっている小岡弘子を眺めて、思わず「ちぇっ」と舌打ちする。

「この前さ、弘子も彼氏できたっぽかったんだよね。ずっと秘密にしてて、全然連れてきてくれなかったけど」

「今のあの幸せそうな顔見てると、たぶん別れたんじゃない?」

雪美は周防雅子の記憶を探るように頭の中をまさぐ...

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