第150章

ピピピッ!

 うだるように暑い午後というのは、どうしてこうも人を眠くさせるのか。

 車体に『早井新聞』のロゴを入れたワゴン車が、電子ゲートの前でゆっくりと停まった。ゲート脇には、高さ二メートルほど、横幅は七、八メートルはあろうかという巨大な岩が据えられている。そこには大きく――『笹村生化学工業株式会社』。

 守衛所で舟を漕いでいた警備員が、突然のクラクションにびくりと跳ねた。悪態をつきながら立ち上がり、目の前の小窓をガラリと開けて顔を出し、運転手と二言三言やり取りする。

 やがて警備員が手を振ると、助手席のドアが開いた。そこから降りてきたのは、ほっそりした女の影。

 白い細ストラッ...

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