第156章

 A市公安局。

 今夜の庁舎は、やけに騒がしい。笹村生化学工業の倉庫から押収してきた証拠品を積んだパトカーが、ひっきりなしに出入りしていた。

 広い会議室には人がぎっしり詰め込まれ、矢野智は長机の正面に立ったまま、両手を天板に突き、うつむいて眉間に深い皺を刻んでいた。目の前に広げた数枚の資料を睨みつけるように追い、何かを噛みしめるように考え込んでいる。

 しばらくして、隣の陸田暁が恐る恐る声をかけた。

「矢野隊長、全員そろいました」

 矢野智ははっと意識を戻し、陸田暁に資料を配るよう顎で示すと、口を開いた。

「これは道野さんにまとめてもらった、笹村生化学工業と貝川グループの背景調...

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