第165章

「周防宇……?」

その瞬間、小原雪美の脳裏に浮かんだのは、その名だった。

伊川東が起こした校内殺人事件の中で、周防宇という存在はあまりにも地味だった。けれど改めて思い返せば、なぜか要所要所に彼の影が差している気もする。

いちばん引っかかるのは、鎌野夢佳と被害者の若山空人に薬を盛った斉村豪介と、周防宇がやけに親しいことだ。

今になって思えば、斉村豪介という愚か者も、誰かに焚きつけられたからこそ度胸がつき、取り返しのつかない過ちを犯したのではないか。鎌野夢佳と若山空人の飲み物に、大量の幻覚剤を混ぜるなんて真似を。

つまり周防宇は、最初から伊川東のために道を整えていた?

でも、どうして...

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