第166章

大学生を二十人ほど乗せた貸切バスが、そのまま行方をくらませた。しかも車内には、極めて危険な犯罪者が一名。相手は銃器や爆発物を所持している可能性が高い。

その情報が確定した瞬間、A市の警察組織は一斉にフル回転に入った。

矢野智や小原雪美たちも最速で署へ戻り、集合した時点で全員の顔色が冴えない。

高橋小春の人質事件をようやく片づけたばかりだというのに――また来るのか。

二十四時間以内に、悪質な人質事件が二件連続。これが報道に乗れば、A市警の信用は地に落ちる。市民の信頼だって、取り返しのつかないところまで崩れかねない。

「貸切の会社とは連絡ついたのか?」

庁舎前の中庭に全員が集まってい...

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