第17章

「携帯、見つかったの?」

小岡弘子が二歩ほど寄ってきて、伏し目がちにちらりとそれを見た。口調は、いつもの――親しげな気遣い。

「ロッカーに鍵かけて入れてある」

視線を向けられるより早く、小原雪美は着信を切っていた。画面はすでに、元の黒に戻っている。

「菜美がさ、あなたが中に入ったら私たち見つけられないかもって心配して。だから私、様子見に戻ってきたの」

そう言いながら弘子は親密に腕を絡めてくる。

「見つかったなら、行こ」

雪美は大きく抵抗もせず、彼女に連れられて屋内の温泉レジャー施設へ戻った。造波プールで大はしゃぎしている津下菜美たちもすぐ見つかる。

二人が戻った途端、菜美は問...

ログインして続きを読む