第171章 番外3

静市公安局刑事捜査支隊の連中が、「小原雪美がA市公安局の重案組組長に落とされた」なんて噂を聞いて、いったいどんな顔をしたのか――それは、ひとまず置いておく。

問題は当の小原雪美だ。

休暇に入って、もうすぐ丸一週間。

早起きして海辺で日の出を見よう――そう約束していたのに、結局一度も実行できないままだった。

矢野智の休みが終わる日、彼女は空港まで見送りに行った。

この半月あまり、自分の腰が一度も伸びた気がしない。そんな感覚だけが残っている。

はぁ、と小さく息を吐き、手を背骨のあたりに当てて、せめて姿勢だけでもしゃんと見せようとする。

耳に入ってくるのは、搭乗を促すアナウンスの声。...

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