第23章

再び顔を上げたとき、小原雪美の目の前の景色が、ふっと揺らいだ。

いまの、上品で落ち着いた内装の幸村シーフードレストランが――あっという間に、四年前の、金ぴかで眩しい幸村シーフードレストランへと塗り替わっていく。

四年前の、ある日。

吉田ななは、厨房の清掃を担当しているおばさんに頼まれ、みんなが上がったあとも店に残って代わりに締め作業を手伝っていた。

後片付けに慣れていなかったせいで、本来なら退勤しているはずの時間になっても終わらない。結局、そこから一時間以上も余計にかかってしまった。

心身ともにくたくたになりながら厨房を出て、ホールを抜けて帰ろうとした、そのとき。

フロントのほう...

ログインして続きを読む