第25章

「誰だっ!」

不意に室内から怒声が飛んだ。

次の瞬間、防犯用のドアが勢いよく押し開けられる。小原雪美が咄嗟に身を引かなければ、鼻先をぶつけられていたところだ。

ドアノブを握ったまま固まった陸田暁は、外に立つ女の顔を認めるなり、目を見開いた。驚きと、疑いと、詰問がないまぜになった声が出る。

「吉田なな? なんでここにいる」

雪美は本当なら「ここ、どこですか」と聞きたかった。だが、ぐっと飲み込む。

そんなことを口にしたら、吉田ななの「怪しさ」を自分で上乗せするだけだ。

二人が睨み合うように沈黙した、そのとき。

居間にいたお婆さんが、ふいに立ち上がった。小刻みな足取りで玄関へ出てき...

ログインして続きを読む