第37章

陸田暁が入ってきた瞬間、目の前の光景にどこか既視感を覚えた。

小原雪美はのんびりと箸を進め、口へ運びながら、陸田暁と、その後ろに続く矢野智へ眉を上げてみせる。――用件は? と目で訊いていた。

「地元の交番が先に犬飼リリの住居に到着しました。家の中に人はいないと確認済みです。鑑識も向かっていますが、交番員の話では、室内に目立った揉み合いの痕跡はありません」

矢野智が、淡々と現状を整理する。

「それと、A市の専門学校からの回答ですが……古川補助は、ここ三日ほど登校していないそうです。同室の学生いわく、以前から外泊がちで、誰も異常だとは思わなかったと」

話を聞きながら、陸田暁は手際よくテ...

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