第38章

警察が何か言う前に、先に逃げ道を全部塞いでしまうような当事者は、そうそうお目にかかれない。

我慢に我慢を重ねていた特警の兄貴分も、ついに堪えきれず「ぷっ」と吹き出した。

手袋越しの手で、小原雪美の肩をぽん、と軽く叩く。どこか感慨深げに言った。

「現場に来る人がみんな、君みたいに状況を理解してくれてたらな」

そうなれば、行動中の厄介ごとはぐっと減る。防げる悲劇だって、きっと増える。

矢野智は気持ちを整えると、少し身を引いて雪美に図面を見せた。栄亜管理会社が提出した建物の平面図だ。

「ここが地下2階の駐車場にある倉庫。君が前に住んでた場所だ」

「管理センターの話だと、違法に作られて...

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