第41章

ギイィ――

 取調べ椅子にうなだれて眠っていた小原雪美は、入口の気配に気づくと、ゆっくり顔を上げた。

 後ろ首のあたりに走る鈍い痛みが神経を叩き起こす。重たいまぶたを持ち上げ、正面の壁時計をちらり。午前3時を少し回ったところだった。

「鎌野夢佳」

 矢野智が陸田暁を伴って席に着き、ペンでトントンと机を叩いて意識を促す。

「……はい」

 数時間、水を口にしていない。返事の声は乾いて、喉の奥にざらつきが残った。

「事件の前、どうして若山空人のテントに行ったのか。本当に思い出せないのか?」

 陸田暁が眉を寄せ、硬い表情で問う。

 小原雪美はまた目を半分閉じた。今回は、前の二回みた...

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