第43章

「みんな、落ち着いて。緊張しなくていい。今日、俺たちが何のために来たのか――それは君たちも分かってるはずだ」

 矢野智は、ざわつく小声の波を真正面から受け止めながらも表情ひとつ変えず、捜査令状を皆に示した。

「これから協力を頼む。必要な手続きにすぎないし、時間も取らせない」

 言い終えるより早く、ダンス部の面々が何か反応する間もなく、警察は手際よく二手に分かれた。

 一方は鑑識――羽田弥香ら技術班で、伊川先生に案内され、練習室の隣にある更衣室へ向かう。そこには部員の私物が相当数、保管されているらしい。

 もう一方は重案係の見慣れた顔ぶれ。校内の職員二名が学生を廊下へ誘導し、待機させ...

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