第45章

D区一帯の治安を担当する派出所の警官たちが出動してきたとき、そこに制服姿の人間が何人も突っ立っているのを見て、さすがに少し面食らった。

だが事情をざっと把握すると、彼らは当事者である小原雪美と若山の母を派出所へ連れ帰った。

狭い事務室で、二人は机を挟んで向かい合って座らされる。傍らでは年配の警官が机の端にもたれ、諭すように、根気よく言葉を重ねていた。

空気にはうっすら煙草の煙が漂っている。その霞の向こうで、小原雪美の眉目は冷えたまま動かない。一方の若山の母は終始ぎこちなく身体をねじり、先に口を開くのを拒むように黙り込んでいた。

「いやぁ、奥さんねえ」

散々しゃべって喉が渇いたのか、...

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