第47章

小原雪美は、D区のバス停からA市大学まで、ひたすら走って戻ってきた。

近いと言えば近い。けれど遠いと言えば遠い。しかもこの時間帯、タクシーはまるで捕まらない。

走りながら、鎌野夢佳の両親にも電話を入れた。適当に「同級生の集まりがあって」と理由をでっち上げ、どうにか誤魔化す。

さっきの電話で「元の持ち主」のルームメイトから聞いた通り、校門ではなく裏手の通用口から入った。そこから小さな林に隠れるように伸びる石畳の近道へ。

五分もしないうちに、前方で点滅するパトライトが見えてきた。青と赤の光が、図書館の建物全体をまだらに染め上げている。

「夢佳! こっち!」

以前、公安局まで迎えに来て...

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