第66章

そのとき、幸村和也がまた寄ってきた。

小原雪美はさりげなくスマホを伏せ、適当に数言あしらって、ようやくあの子を追い払う。

改めて端末を取り上げ、画面をしばらく睨んだ末、苛立ちまぎれにタップ音をカチカチ鳴らしながら、トーク欄に「?」を十数行まとめて送りつけた。

そもそも、あの写真の解像度がひどすぎる。こっちは記者であって、拡大鏡じゃないんだが。

すると間もなく、矢野智から返事が来た。相変わらず例の写真。ただし今回は、赤い丸で二つの顔が囲まれている。

口の端が、すっと下がる。男が目の前にいるわけでもないのに、目の奥から溢れそうな嘲笑が容易に想像できて、腹が立った。

写真は集合写真だっ...

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