第78章

最終的に、小原雪美はY市の警察に取り押さえられ、やって来た地味なセダンの後部座席へ押し込まれた。

さっきまでいちばん執拗に追ってきた、あの角刈りの男は助手席に陣取り、ことあるごとにルームミラー越しに後ろをうかがっている。

小原雪美は若い刑事二人に左右を挟まれ、居心地悪そうに膝を引いた。

しばらく車が淡々と走ったあと、角刈りがふいに口を開く。

「牛岩真未。お前、動きが良すぎる。何かやってたのか?」

疑いというより、純粋な引っかかり。警察はこの女をしばらく前からマークしていたが、過去の内偵記録に「壁を登れる」などという情報はない。

あの反応速度。鉄門を越える一連の動作の正確さ。配管を...

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