第91章

目浦旭は向かいの男警官と静かに視線を交わし、しばらく間を置いてから、掠れ気味の声で口を開いた。

「……それで。今、警察が握ってる証拠って、どこまでなんですか?」

損得を天秤にかけている。そういう問い方だった。

矢野智は隠すことを選ばない。ただ、赤田律人と田浦建明がA市で相次いだ行方不明事件に関与している可能性がある――その旨を、簡潔に言葉にして伝えた。

相手はすぐには返さない。いったん瞼を落とし、慎重に考え込んでから、ゆっくりと吐き出すように言った。

「……やっぱりな。いつかこうなるって、分かってた」

目浦旭の続く説明で、彼がずっと以前から、この会社と赤田律人に「普通じゃないもの...

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