第96章

 その日の午後、外はまた大雪になった。

 重案係のオフィス前の廊下で、小原雪美は窓の外をぼんやり眺めていた。耳に入ってくるのは、さっき喫煙に出てきた陸田暁那が同僚とだらだら交わしている会話だ。

「いや、降りすぎじゃね? 今夜、母ちゃんに飯食いに帰ってこいって言われてたんだけどさ。この雪なら、別の言い訳考えなくて済むわ」

 相手は煙草を深く吸い込み、ここ数日胸に溜まっていた鬱憤まで吐き出すみたいに、ゆっくり煙を吐いた。

「さっき異常気象の警報メール来ましたよ。短時間で積雪が十数センチになるって!!」

 隣の男性警官が応じる。

「矢野隊長、もう中で二、三時間パソコンに張りついてるよな...

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