第11章 2本の手縄

浅倉友紀子が目を覚ました。

田中英治の腕は、やはり本物だった。

星野彩実と浅倉拓実が二階へ駆け上がると、浅倉啓太が妻を腕の中に抱きしめたまま離そうとしない。周囲の使用人がどれだけこっそり見ていようと、お構いなしだ。

「お母さん! 父さん!」

拓実が彩実の手を引き、ベッドのそばまで連れていく。友紀子は夫の胸を二度、三度と押して、ようやく距離をつくった。

「たくちゃん、あやちゃん、こっちに来て……!」

友紀子が起き上がろうとすると、啓太が慌てて掛け布団を押さえる。

彩実もすぐにベッド脇へ腰を下ろし、友紀子の手を包むように握った。

「……お母さん」

「ええ! あやちゃん! 私の、あ...

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