第百二十三章 お前の妹は家にいない

浅倉彩実はぐいっと引っ張られて、よろけそうになり、困ったように眉をひそめた。軽く腕を引き戻しながら言う。

「毎回そんなに慌てないでよ。自分の力、どれだけ強いか分かってる? このまま引っ張ったら、手首あざになる」

青木優美はそこでようやく我に返り、慌てて手を放した。彩実の手首にうっすら残った赤みに気づくと、申し訳なさそうに両手をこすり合わせる。

「ごめん、ごめん……彩実。私、ほんとに焦ってて」

そして言葉を継いだ。息が詰まるほど切実な声音で。

「青木家まで一緒に来て。どうしても手伝ってほしいことがあるの。これ、絶対に先延ばしできない」

「そんなに焦るって、何があったの? ……あなたの...

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