第百二十六章 青木家はいつでも家主を交代できる

「でたらめ言わないで!」

星野奈菜の顔色がさっと青ざめ、瞳には動揺が溢れた……。

浅倉彩実は、確証のないことは口にしない。まさか青木陸斗は、看板だけの御曹司――肝心の青木家の持ち株など、実は一切持っていないのか。

五年前に知り合った頃の青木陸斗は、羽振りがよかった。毎日のように高級車を乗り回し、上等な店へ当たり前みたいに顔を出していた。奈菜はずっと、彼が本当に金も地位もある御曹司だと信じていたのに……全部、嘘だった?

浅倉彩実は相手にする気もなく、手を伸ばして軽く払っただけで奈菜を脇へ退けた……。

力など入れていない。なのに奈菜は、誰かに乱暴に突き飛ばされたみたいによろめき、たたらを...

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