第13章 局

世代的に、もう望みはないと思っていた。――ところが、あやちゃんが生まれた。

浅倉拓実が抱えたまま終わっていた「縁談の筋」は、そのまま星野彩実へと受け継がれた。

その事実を知っているのは、両家の親と、さらに上の世代だけ。

口にしなかったのは、言う必要がなかったからだ。あやちゃんは行方知れずになっていたのだから。

花村家はとうに花村秋人のために、新しい釣り合いの取れる名家の令嬢探しまで始めていた。

それなのに、昨夜になって、あの子がふいに浅倉家との婚約の話を口にした。

花村裕子は息子のことをよく分かっている。

気持ちがなければ、絶対に言わない。

だから朝一番で、花村秋人を連れて浅倉家を訪...

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