第十四章 贈り物

一同の視線が一斉に跳ねた。彩実の声が、レストランの空気を切り裂いたからだ。

「――みっともない!」

真っ先に噛みついたのは浅倉莉子だった。

ここに座っている以上、この場の「しきたり」は彼女そのもの。大声を張り上げるなど、成金まがいの無作法にしか映らない。

「おじさん、返して!」

星野彩実はもう一度、きっぱりと言った。

――それは、触った人間に災いが落ちる。そんな類のものだ。

浅倉大翔は嫌いではない。昨日の「帰宅を歓迎する輪」の中でも、いちばん自然に笑っていた男だった。

「おお、そんな宝物なのか? いらねぇよ。ちょっと見るだけだって」

浅倉大翔はそう言いながらも、箱を開けようとはしな...

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