第百四十八章 指しているのはお前だ!

「もう遅い。各自、戻って支度をしなさい」

グルー院長はもう一度だけ手をひらりと振った。言葉の端に、わずかな疲れが滲む。

「魔法使いの鉱山は学院とは違う。中は危険だらけだ。防御の薬と治療の道具は多めに持て。土壇場で慌てるなよ」

そう言い切ると、院長はそれ以上だれにも取り合わず、くるりと踵を返す。黒い箒にまたがり、立ち去る準備を整えた。

飛び立つ直前、院長は花村秋人を一度だけ見た。

叱咤ではなく――念押し。黙ったままの眼差しに、それが宿っていた。

次の瞬間、箒がふわりと浮く。

夜空を裂くように滑っていき、淡い黒の軌跡だけを残して、雲の向こうへ消えた。

モーガンはその背を見送り、続けて花...

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