第16章 ブレスレットがなくなった

浅倉拓実「どうして?」

「考えてみて。このブレスレットは林田夏美がママに贈ったもの。ママが亡くなれば、一番得をするのは林田夏美だよね。逆に林田夏美が死んだら、裏で操ってる奴は駒を失う。だから私たちより、あいつのほうが焦ってる」

「林田夏美以外に――裏の人間って、浅倉荘園の中にいると思うか?」

星野彩実は顔を上げ、浅倉拓実の目をまっすぐ見た。

「兄さんは……いてほしい? それとも、いてほしくない?」

浅倉拓実は言葉に詰まった。

これまで長い間、彼は浅倉家の三人のおじ――浅倉良樹、浅倉賢人、浅倉大翔とも良好な関係を築いてきた。

浅倉拓実は浅倉家の長男。家のすべては、本来なら自分が継ぐ...

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