第168章 直接彼女を探す

電話を切ると、林田遥香は少し離れたところに見えるワシントン空港を見上げた。目の奥には、濁った憎悪が渦を巻いている。

「浅倉彩実……全部あんたのせいよ。覚えてなさい。絶対、代償を払わせてやる」

吐き捨てるように言い、彼女は踵を返してタクシーへ滑り込んだ。車はそのまま空港へ向けて走り出す……。

遥香は分かっていた。林田夏美が自分に協力したのは、娘の身を案じたからじゃない。巻き添えを食らうのが怖かっただけだ。あの動画が表に出れば、夏美だって無傷じゃ済まない。

母と娘。どちらも同じくらい利己的で、胸の内にあるのは自分の損得だけ。相手のために本気で動く気なんて、最初からない。

十数時間後。林...

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