第十九章 スカートを切り損なう

「……あ」

星野彩実は店員の言葉など気にも留めず、さらに数歩進んだ。ショーウィンドウの奥には、立ち姿や座り姿のマネキンが三、四体。どれも目を奪われるほど美しい服をまとっている。

彩実はその中の淡い水色のホルターネックのロングドレスを指さした。

「じゃあ、あのドレスは?」

「申し訳ございません、お嬢様。マネキンが着用しているものはデザイナー作品でして、販売はしておりません」

彩実は腹も立てずに一周見回し、入口右手のラックへ戻る。今度は白いベアトップのマーメイドワンピースを指した。

「それなら、これは? マネキンのじゃないなら、私のサイズもあるでしょ?」

すると佐藤璃々が、作りものじ...

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