第192章 3時間では無理

校庭からは、子どもたちの澄んだ笑い声が弾んでいた。青い制服の生徒が何人もトラックを走っている。足取りは軽く、汗で濡れた襟元が陽にきらりと光った。

――その光景が、この学校の裏に沈んでいる重い未解決事件と、あまりにも不釣り合いだった。

浅倉彩実の視線は、校庭の地面へ落ちる。指先が無意識に制服の裾を撫でてしまう……。

校庭の端、ある一帯だけ土の色がわずかに濃い。後から埋め戻したような、不自然な境目。

彩実は足を止め、声を落として尋ねた。

「市川校長。学校の最後の改修って、いつ頃でしたか?」

市川校長は一瞬きょとんとして、眉間にしわを寄せた。太腿を、とん、とん、と指で軽く叩きながら記憶...

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