第207章 存在しない牽制

輝先生がゆっくりと言った。

「連中もお前と同じだ。宝の誘惑に抗えず、黒魔の森へ向かった。ピンクの魔女の遺物と、伝説の宝を探しにな」

「だが覚えておけ。黒魔会は、この地図を最初に手にした組織だ。数百年にわたって、何人もの腕利きの魔術師を黒魔の森へ送り込み、宝探しをさせてきた」

「……その結果はどうだ。地図を持って行った者は、誰ひとり戻らない。何の報せも持ち帰らず、まるで最初から存在しなかったみたいに消えた」

「つまり……黒魔の森は危険だってことですか?」

「行った人間は、全員……帰れずに死んだ?」

アキンは目を見開き、顔面から血の気が引いた。反射的に身を引き、輝先生の言葉にすっかり...

ログインして続きを読む