第214章 囚われの者

その頃――遠く離れたプライベートアイランド。

浅倉礼司は車椅子に腰掛け、テラスから海を眺めていた。

「……へくしゅっ! へくしゅん! へくしょいっ!」

立て続けにくしゃみが出て、鼻水が今にも垂れそうになる。赤くなった鼻をぐいと擦り、ふとアイスランドの方角へ目をやった礼司は、力なく首を振った。

「きっと莉子が、また俺のことを言ってるんだろうな」

テーブルの茶杯を手に取り、ひと口。苦い液体が喉を通るのに合わせて、目の奥だけが揺れた。

「……あの時のこと、莉子。すまなかった……」

「ここで謝っても、ばあちゃんには届かないよ」

砂浜から、花村秋人が浅倉彩実の手を引き、ゆっくりと歩いて...

ログインして続きを読む