第218章 盛大な婚約

浅倉啓太が一歩前へ出て、そっと娘を抱き寄せる。掌がさらりと長い髪を梳いた。

「おじいちゃんと意地張るな。あの人は十何年も騙されてきた。馬鹿なんじゃない、ただ……情に弱くて、昔を引きずるだけだ」

「おばあちゃんだって、もう許してる。このところ毎日、おばあちゃんの薬膳を煎じてるんだぞ」

浅倉彩実は父の肩に額を預けたまま、こくりと頷く。離れると、浅倉礼司のそばへ歩み寄り、肩を軽く抱いた。

「おじいちゃん。これからはおばあちゃんと、ちゃんと暮らしてね。もしまた家出なんてしたら、荒れ島に島流しだから。田中結菜みたいな悪い女と、二人きりで暮らせばいい」

「このクソガキ、また脅しやがって!」

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