第29章 夜の人影

浅倉拓実は言葉を継いだ。少し語気が荒い。

「別にあいつをかばってるわけじゃない。でも客観的に見て、叔父さんがそんなことをする理由がないだろ。お前ら、分かるか?」

浅倉拓実が苛立っているのが伝わって、星野彩実も自分が決めつけていたことに気づいた。

林田夏美が犯人で、林田夏美の側にいる人間も同罪――そんな先入観で見ていたのだ。

けれど、よく考えれば叔父さんと林田夏美は接点が薄い。林田夏美が、叔父さんの平凡な顔立ちに惹かれるとも思えない。叔父さんは建築デザイナーで、収入も父・浅倉啓太とは比べものにならない。

もし林田夏美が浅倉家の奥様になりたいなら、十年前に浅倉家へ入った時点で、もっと良い...

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