第31章 おじさんの心の傷

浅倉拓実がそう言い切った瞬間、目尻が赤く染まった。

浅倉良樹は華国でもっとも名の知れたデザイン院の院士だ。商売は肌に合わないらしく、幼い頃から橋梁設計への才能と情熱だけが突出していた。

拓実が子どもの頃、父の浅倉啓太はグループの後継者として常に多忙で、拓実に構う時間などほとんどなかった。

八歳までは母がそばにいた。だが、あやちゃんの件を境に母は自らを閉ざし、部屋に籠もった。

それ以降、拓実は祖父と叔父に育てられ、面倒を見られて大きくなった。

だから拓実にとって、祖父と父を除けば、いちばん好きなのは叔父だった。

拓実はゆっくり息を整え、問いを重ねる。

「おじさん……分かんない。...

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