第44章 黒猫アーズベルク

「これは受け取れません! ハム先輩、これはグルー院長の大切な品ですし、それに……院長が私に渡してしまったら、これから何でウォッツ学院を守るんですか」

星野彩実は「六十年の約束」のことをハム先輩には話さなかった。――それは、ウォッツ学院でも最深部に属する秘密だと分かっている。

「星野彩実。先生が言ってた。この品は、お前を守れるって。……胸に触れてみろ、と」

ハム先輩自身も、なぜ先生が「小さな女の子に、目の前で胸を触れ」と言い残したのか理解できない。

どう聞いても、ただのセクハラにしか聞こえない。

案の定、そばにいた浅倉拓実と花村秋人が、一瞬で顔色を変えた。

「おい、てめぇ! 何言って...

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