第46章 わざと負傷する

林田夏美は採取した血液をそっと掬い取り、透明なクリスタルボトルへ二本に分けて封じ込めた。

ボトルの中にはもともと濁った液体が入っていたが、星野彩実の血が触れた途端、どろりと艶のある深紅へ変わっていく。

よく見れば、瓶の中の血は――まるで息を吹き返したかのように、ゆっくりと脈打ちながら流れていた……。

「お母さん! これ、あのクズの血? こんなに早く手に入ったの?」

「私もここまで簡単だとは思わなかったわ。……あの忌々しい黒猫には『礼』を言わないとね」

林田夏美はクリスタルボトルを毛糸で編んだカバーに収め、精巧な工芸品に見えるよう偽装する。

林田遥香と林田夏美は、それぞれ一本ずつにリボ...

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