第56章 父の負い目

「お前、何を首突っ込んでんだよ?」

浅倉拓実は花村秋人を睨みつけた。

「これは俺と妹の問題だ」

花村秋人はソファに腰を落としたまま、つま先をぶらぶら揺らし、指の関節で肘掛けを一定のリズムに叩く。

「悪いな。今の俺は、お前の妹の保護者だ。何せこの部屋、名義が俺だから」

その言い方に、浅倉拓実は一瞬で毛を逆立てた猫みたいに顔を強張らせた。

星野彩実が慌てて兄の腕にしがみつく。

「お兄ちゃん、怒らないで。こいつ、口が悪いだけだから。二十年以上の友達でしょ? 性格くらい分かってるじゃん」

ひそひそ声だったのに、花村秋人は聞き逃さなかった。

鼻で笑い、スマホを差し出す。

「今日の昼飯...

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