第58章 役立たずか天才か?

アーズベルクは優雅に右の爪先をぺろりと舐め、浅倉啓太の無礼など意にも介さなかった。

星野彩実が根気よく説明する。

「お父さん、アーズベルクは怪物じゃないよ。ウォッツ学院でいちばん古株の院士で、通霊の力を持ってるの」

「前にお母さんが呪術を受けた時も、先生に教わった術で症状は抑えた。ひとまず普通の人みたいに過ごせてるけど……」

「一週間で、魔法の悪影響を全部消せるって言ってなかったか?」

浅倉啓太が眉をひそめ、確かめるように言う。

「うん。『魔女ハンドブック』の通りなら、残ったダメージも一週間で浄化できるはずだった」

「でも、お母さんの動悸だけがまだ残ってる。たぶん……ただの白呪...

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