第60章 おじさんを放してやる

「母さん、質問に正面から答えてない」

浅倉啓太は言った。

「浅倉家の人間は、誰でも生まれた瞬間から平等に自分の基金を使える。私用のためにね。とくに未成年は、まとまった出費だと家族名義の基金口座を通すしかないから、そこからなら制限なく送金できる」

「浅倉啓太、私は前にも言ったでしょう。私は誰に対しても公平よ」

浅倉莉子は譲らない。

「星野彩実は大学にすら受かってないのよ。そんな子が大金を持って、何に使うっていうの」

「お金は人を堕落させることもある。まして学もない子なら、なおさら金の扱いが下手よ」

「母さん……いったい誰が母さんの耳元で、あやちゃんのことを『学もない』なんて吹き込ん...

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