第63章 熱情のダトゥ府

翌朝早く。星野彩実が身支度を終えたところで、ドアの外から小さなどよめきが聞こえてきた。

窓辺へ寄って覗くと、盛園別荘の門前にミアの専属執事が立ち、その後ろに十五、六人ほどの使用人がずらりと控えている。全員の手には、上等そうな贈答用の箱。迎えというより、どう見ても「手土産を届けに来た」陣容だった。

「これ、パパの指示なの。初めて浅倉家のお嬢様をお招きするんだから、失礼があっちゃいけないって」

ミアは笑って肩をすくめる。どこか困ったような、けれど誇らしげな顔。

「気にしないでね。うちのパパ、体裁ばっかり気にするタイプだから」

「うん」

彩実は笑みだけ返し、それ以上は何も言わなかった。

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