第65章 悪毒な醜い女

ミアは腹立ちまぎれに白目をむいた。

星野彩実は口では冗談めかしているくせに、視線だけはずっと小村雪子に貼りついたままだ。

小村雪子がポケットの中を探るしぐさを見せた瞬間、星野彩実はアーズベルクに向かってひらりと手を振った。

アーズベルクが飛び出し、爪を伸ばして小村雪子のポケットから何かを引きずり出す。

「ばちっ」と小さな音を立て、三角形の小さな道具が絨毯の上に落ちた。黒銀の鈍い光が、皆の目に晒される。

「……なに、これ?」

ミアが問う。

星野彩実が答えた。

「『釜』よ」

屈んでそれを拾い上げた星野彩実の声は、氷みたいに冷えた。

「釜そのものは、ただ“変換”の力しか持たない…...

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