第76章 遊べないなら遊ぶな

親戚同士の揉め事なら、当人たちに片をつけさせればいい。

それに、あのロットの開始価格は1億。いまや10億まで吊り上がっている。手数料が10%なら、今夜のオークションハウスはもう損をしない。

片目をつぶって、ちょっとした規則破りを見逃したところで、上も何も言わないだろう。

星野奈菜はまだ青木陸斗と言い争っていた。そこへ――

バン、と個室の扉が押し開けられた。

星野奈菜は、裾を持ち上げた星野彩実の姿を認めるなり、目を見開く。彩実もまた、呆然とした目で奈菜を見ていた。

すでに陸斗に見下され続けて情緒が崩壊寸前だった奈菜は、彩実を見た瞬間、テーブルの果物をひっ掴んで投げつけた。

「星野彩...

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